人工股関節手術後、退院してから「股関節が痛くないのに他のところが痛くなる」「歩き方がよくならない、歩きづらい」という声が多くあります。手術をする時、術前の筋力トレーニングで準備し、術後の機能改善&筋量や筋力バランスを整えるトレーニングやコンディショニング・食事で日常生活を術前よりよい状態にしていくことをリコンディションではオススメしています。それが日常生活がラクに、そして笑顔になれるポイントだからです。
大泉学園徒歩3分の一番古いパーソナルジム リコンディションのパーソナルトレーナー 松田幸子です。
現在、人工股関節手術後のお客様の機能改善運動を担当しています。なぜ、リコンディションにそのような方が来るのかというと
ケガをしたアスリートが競技復帰するリハビリトレーニングやコンディショニングの経験があるから
です。そう言うとすごいトレーニングをするのかと思いませんか?そうではありません。
アスリートは日常生活以上に体を酷使してスポーツをします。手術した方も手術する前より後の方が、体の機能をたくさん使う状態になります。
手術前よりも手術後の日常生活を軽やかに、そして動きやすくすることはアスリートが競技復帰することと変わらない
からです。
病院での術後の入院中、リハビリはもちろんありますが、杖をついて歩けるようになったら退院。だいたい2~3週間くらいが目安のようです。その後のリハビリは病院の方針によって継続をしてくれるところと、終わりのところがあるようです。
今までいろいろお客様にお話を伺ったところ、退院したら、「自分で頑張って歩いて」というのが多いようです。そして、頑張って歩いてみたものの、なぜかおかしいという声が私たちトレーナーにうったえてきます。
そこでよく言われるのが
- 股関節が痛くないのに、他のところが痛くなった
- 歩き方がよくならない
ということ。
医療でのリハビリが悪いということではありません。医療ではしっかりリハビリを行っています。ですが、保険で行える医療範囲での「歩く」と、患者が考える「歩く」ということにギャップがあるようです。これがアスリートが競技復帰出来ていない状態=患者が日常生活にうまく戻れていないと感じてしまうということにつながります。
患者は痛みがなくなれば、魔法がかかったように歩けるようになると思ってしまうようですが、実際はそうではありません。
アスリートが大きなケガをしたときとは、ここはちょっと成り立ちが異なることが多いです。
カンタンに言うと、脳が術前の動きを記憶し、術前の日常生活を覚えているからです。手術より前のほうが、長い年月生きているから当たり前です。
実際に退院後のセッションで様々な動きをしてもらうと、病院で教わったと思われる動きが出来ていなく、術前と同じ動きをしていることがほとんどです。それは退院後すぐにリコンディションにくるわけではなく、1週間ないしは2週間後にくることが多いので、その間に術前の動きに知らず知らず戻っているからでしょう。
記憶ってすごいですね。
ですからその方の本来の動きを体に学習をさせることが必要になります。そのためには退院後のパーソナルトレーニングがとても有用です。
トレーニングと言うと、重い物をもって行うばかりではありません。
現在、担当している術後のお客様に使っているアイテムです。ブルーやピンクのアイテムが下段にあると思います。そちらを多く使っています。そのおかげで杖は早々にとれ、歩けるようになっているので
- 立つ
- 座る
- 歩く
- 階段
このような日常生活でとても多く行う動作を、何も気にせず出来るようにすることが現在の目標です。
ただ立っているだけなのに、私がバランス修正すると
「立てない!」
と言いながら、体があっちこっちに動いてしまいます。昔の動きを強く記憶していれば当たり前です。ですが、繰り返し、繰り返し行い、体のいろいろな部位を動かしていくことでセッションの最後には出来るようになります。この小さな積み重ねが日常生活によい影響をもたらすのです。
基本は週に1度のセッションで、ご自宅で行う運動をいくつかピックアップし実践いただきますが、遠方の場合は2週に1度のセッションの方もいます。その場合は少し長めの時間をとっていただくほうが、よりよい動きを体が覚えてくれるようですよ。
20年以上、運動指導をしていると、いろいろな方のサポートをしてきましたし、今もしています。その話はまた今度。
とにかく、「わー!」と喜んで帰っていただけるのが一番だと思っています。