100%元に戻せる?

10年以上サポートしているお客様とのワンシーン。
転倒で肩を強打し腱板断裂してしまったお客様。

腱板断裂とわかったのも実は
事故が起きたかなり後で
最初の医師の診察でCT・MRIも撮らず
ただの四十肩と診断ミスがあり
回復にかなり遅れをとってしまったのです。

僕のセッションも事故直後に
一度はあったものの
お客様自身の仕事が忙しかったのもあり
数ヶ月、間が空いてしまいました。

痛みが続いたら他の病院に行っても良いから
MRIかCT撮ってもらった方が良いですよ・・・
とお伝えして数ヶ月後、セッション再開。

事故後2ヶ月くらいで日常生活には
問題ないくらいになったものの
仕事で上半身をかなり使うお客様は
思い通りに動かない現状のため
セカンドオピニオンとして
大きな病院のスポーツ整形に
診察を受けに行きました。

ここで初めて腱板断裂と診断。
事故後、かなり経ってから
断裂だったとわかり最初の診断への
怒りと後悔を口にされていました。

まぁ、良くありますよね。
日常生活的には回復してきてるから
様子見て・・・で結果的に重要な決断を
後回しにしてしまうっていうやつ。

そうは言っても時間は流れるものです。
前を向くしかないときもあるので
お客様が求める方向性で全力を尽くすのみ

なのですが・・・!

ここでスポーツ整形の医師から
痛みがあるなら動かさないように
と言われた言葉がお客様を引き留めます。

リハビリと筋トレ

腱板断裂とはいえ、日常生活には
困らない程度まで回復し
もはや数ヶ月(厳密には半年以上)
経過しているので本来であれば
お客様が求めるレベルまでの
動作が出来るようになるよう
リハビリが必要です。

現に医師は病院内のリハビリも
提供されているようですし
この言葉は誤解を生んでしまった印象です。

まず一般的な治療における
リハビリというのは
日常生活ができるようになる
ことが目的です。

肩に限らず、脳血管疾患や心疾患であっても
普段の生活が出来るようになるまでがゴール。
マイナスの状態から0あるいは1まで戻す。

それが出来るようになったら
医療としてのリハビリは終わりなんです。

ですがお客様が求めるのは
それ以上の動作改善なので
アスリートのリハビリに近いのです。

で、アスリートのリハビリと
筋トレは何が違うのか?
といわれると
主たる目的は異なりますが
運動強度としてはかなり高いので
やり方の明確な境目は無いはずです。

ブラックジャックによろしくお願いしたい

そのように丁寧に説明したのですが
お客様はこのようにおっしゃりました。

じゃあ田中先生(お客様は僕のことを先生と言います)
先生の言うことを100%きけば
最初の状態に戻してもらえるのかしら?

僕は即座にこう応えました。

それは無理ですね。

長い間の信頼関係にあるお客様ですから
ハッキリと答えました。
お客様も軽く微笑みながら

そうよね。わかってるのよ。
他の医者にも同じこというのよ。
でも、誰も「はい」とは言わないのよね。

なので僕はこう返しました。

それをハッキリと断言できる
医者がいるとしたらそれは
ブラックジャックだけじゃないですかね・・・と

医師に関してはわかりませんが
少なくとも僕らの仕事は
可能性の提供をする仕事であり
それがお客様にとってできるだけ
達成率が高いものをご提供していくのが
仕事の一側面だと僕は考えています。

ですが100%となると話は別。
実際にそうなるかどうかの確率を
高くすることはできても
100%を断言することは
僕はしません。

多くてもたった1週間に1回の
セッションで100%断言できるほど
お客様の何を知っているのでしょう?

例え10年以上の付き合いがあったとしても
それはパーソナルトレーニングという
一場面での時間のみです。
お客様の全てがわかるわけじゃない。
だからこそ断言などしないのです。

工夫のしどころをどこに持っていくか

なのでセッションの再開から
しばらくは上半身のトレーニングは避け
下半身のみのトレーニングを
ご要望通りに提供していきました。

ただ・・・!
身体動作は全てにおいて影響を与え合うので
僕はウォーミングアップ時や
脚トレの時間でも顕在意識に
上がってこないレベルで
肩の動作を入れてました。

結果、腕のトレーニングに始まり
下背部⇒胸部のトレーニングまで
出来るようになりました。

お客様自身は
何となく色々なことが
できるようになってきた


とは感じているようです。

100%を目指すのでは無く
出来ることをゆっくりでも
積み重ねて行くこと。

それが望ましい結果をもたらすと
考えながらあらゆる工夫をしています。

もう少し時間は掛かるかもしれませんけどね。
ちなみに過去に肩関節の臨床例も
ブログで書いていますので
興味のある方はこちら▼

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過去の臨床例【激痛で肩が挙げられない重度の肩関節周囲炎】 過去の臨床例シリーズはこちら▼ 動悸と首の筋肉って関係あるの!? 注射しても治らない膝痛 脊柱管狭窄症は本当に手術が必要? 肩関節周囲炎または肩峰周囲炎あまり聞き...

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この記事を書いた人

大泉学園で運営するパーソナルジムは2023年4月で10周年。ボディメイク・機能・姿勢改善をして、動きやすい体作りのサポートをする「かかりつけトレーナー」です。

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