一定期間の追跡調査で、朝食を食べない人は、早朝の血圧上昇が起こり脳出血のリスクが高くなる可能性が考えられています。
ネットや雑誌には様々な持論を含めた食の話が多くありますね。
その中にはエビデンスがあるもの~ないものまでたくさん。それも精査が出来ないくらい、情報量が多いですね。お客様から質問されて、「そんな話、どっから仕入れてくるんだろう?」ということも多くあります。
エビデンスとは、医学・医療の分野では、ある治療法がある病気に対して、安全で効果のあるものなのかどうかを確率的な情報として示す検証結果(根拠)を指します。
厚生労働省『「統合医療」に係る 情報発信等推進事業』
- 健康のために食事は3回きちんと
- 健康のために食事は1日1回
- 朝ご飯を食べない方が健康によい
- 朝食を食べた方がカラダによい
朝食についても回数や食べる食品、食べる・食べないまで、いろいろな考え方があふれています。
ところで
「朝食を食べることとカラダの関係」を農林水産省がサイトに掲載しています。また文科省でも同じような取り組みがあります。
それだけ朝食は大切と国の施策で表しているんですよね。
では、実際、どんな研究がされているのでしょう。あなたやご家族の身近にあるレポートはこちらの
国立開発研究法人 国立がん研究センター 朝食の欠食と脳卒中との関連について
です。
今回の分析の対象者は、平成7年(1995年)に、岩手県二戸、秋田県横手、長野県佐久、沖縄県中部、平成10年(1998年)に、茨城県水戸、新潟県長岡、高知県中央東、長崎県上五島、沖縄県宮古の9保健所(呼称は2015年現在)管内にお住まいだった45~74歳の男女のうち、循環器疾患およびがんの既往がなく、アンケートの朝食に関する項目に回答していただいた82,772人(男性38,676人、女性44,096人)です。
詳しくは国立開発研究法人 国立がん研究センター 朝食の欠食と脳卒中との関連について をご覧下さい
平成22年(2010年)まで追跡した結果、3,772人の脳卒中発症と870人の虚血性心疾患発症を確認しました。
・・・これらの報告から、朝食を欠食することで朝の血圧が上昇し、毎日朝食を摂取する人に比べて脳出血のリスクが高くなっていた可能性が考えられます。
この研究はコホート研究で行われており、動物実験や「こんな事があったよ」という症例報告、専門家の経験や意見などより、エビデンスレベルは高い研究です。それでも一番高いエビデンスレベルではありませんが興味深くみていく内容ではあります。(エビデンスレベルについては別の機会にお話します)
この記事を読んでいる方の多くは、この研究対象と同年代だと思います。
つまり、朝食を取らないことで、脳出血のリスクが高くなる可能性がある年代とも言えます。今は24時間ジムが全国展開されているため、トレーナーのたなかも朝8時前からトレーニングをして仕事を開始します。
あくまでも可能性の話ですが、もし朝食を欠食して早朝血圧が高い状態になり、そのままトレーニングで高重量をあげていたら、脳出血のリスクは高くなっていってもおかしくありません。また住宅街にあるような24時間営業ジムは早朝、施設内に1人だけということも多くあります。
考えただけで、ちょっと怖くなります。
たなかは朝食を食べてからトレーニングをしています。元々、たなかの血圧は正常値ですが、脳出血のリスクを自然と減らした状態でトレーニングをしているのかも知れません。
全員に当てはまるとは言いませんが、可能性はゼロではありません。
朝食を定期的に食べる事で、リスクが減らせるなら、そんな安い物はありません。朝食はカラダのリズムを整えるためにも大切なものです。
朝食食べる習慣が無い方は、カラダをととのえるため・カラダのリスクを減らすために、朝食を食べる時間を作ってみてはいかがでしょうか?